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2011年7月1日付で東芝 セミコンダクター社とストレージプロダクツ社は統合し、株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社になりました。このページは、半導体製品の信頼性情報について説明しています。

半導体の信頼性に影響を与える因子

[2011年4月現在]

信頼性要因解析技法

信頼性要因の解析は、一般的には製品の開発設計、プロセス設計において非常に有効な方法であります。
信頼性要因解析技法には種々な手法がありますが、その主なものとして

  1. デザインレビュー (DR: Design Review)
  2. FTA (Fault Tree Analysis)
  3. FMEA (Failure Mode and Effects Analysis)
  4. タグチメソッド

などがあります。
デザインレビューは、半導体デバイスの場合それぞれの設計において信頼性に影響を与える主な設計要因に示すような項目に不整合がないかをチェックして誤りを修正し、より完全なものへと改善していくことです。したがって、通常はこれらを行いやすくするため、また事前に設計に織り込むために、設計基準を定め、その基準に従い設計が行われ、デザインレビュー時その設計が設計基準どおり行われているかどうかチェックし、設計基準から外れている場合は、実験などを行い、その設計の適合性を確認して設計に織り込むとともに設計基準に補足します。
FTA (故障の木解析) は、ある故障に対して、その部分に対する回路構成、パターン設計、製造プロセス、外囲器および使用方法など、それぞれの要因を解明していくことに用いられます。
FMEA (故障モードおよびその影響度解析) は、設計、製造プロセス、使用方法などについて、すべての起こり得る故障に対して処置がなされていることを確かめるために実施される解析方法です。
その方法は、設計、製造プロセス、外囲器および使用方法などをそれぞれさらに小さな項目に分解し、その機能を明確に定義し、それぞれについて起こり得る故障モードを列記し、その故障により製品に与える影響度と原因を検討し、さらにそれらに重要度のウェイトを付けて、対策処置の優先度を明確にしていくものです。
表 1 に樹脂封止MOS LSIの製造プロセスにおけるFMEAの例を示します。評価点における発生率は故障原因の発生頻度を、影響度はその故障が製品、装置、システムに与える影響度を、検出度はその故障が発見される度合をそれぞれ示し、この場合10点法でおのおのの評価点について評価しています。そしてこれらを掛け合わせることによって重要度を算定しています。重要度は数値が大きいほど重要であることを意味しています。
最後にそれぞれの項目に対して処置内容を記し、対策を行っていきます。
タグチメソッドは、バラツキを最小限に抑えロバスト設計するために有効な方法です。従来の基本設計は目標出力・特性に合わせ込むために、ある定数を経験と理論で求めていましたが、品質工学のパラメータ設計では、バラツキに対する安定度の尺度としてSN比 (平均値とバラツキの比) を導入し、SN比の高い水準の組み合わせで設計することにより、設計のロバスト化を図ります。
表 2 に樹脂封止MOS LSIの製造プロセスにおけるモールド樹脂封止条件に対するタグチメソッドの因子とSN比要因効果図の例を示します。L18直交配列表を用い、望小特性による実験の結果を示しています。


表 1 工程FMEA例 (樹脂封止)
工程名 (工程機能) 故障モード 故障の影響 故障の原因 評価点 処置内容
発生率 影響度 検出度 重要度
(1-10)
A1メタライゼーション
厚さ不良、
A1配線の欠陥、
断線不良
エレクトロ
マイグレーション、
回路オープン
作業者のミス、
ゴミ/異物の付着、
装置の調整不備
2 9 2 36 作業手順書の改善/整備
クリーンルームのダスト管理、
工程におけるSEM検査
(1-11)
パシベーション
パシベーションの欠除、
膜厚不良
リーク電流の増大、
動作不良
ゴミ/異物の付着、
作業者のミス
2 2 4 16 クリーンルームのダスト管理、
作業手順書の改善/整備
(1-12)
目視検査
引っかき傷、
ダイクラック、
汚れ/シミ、
レジスト残り
回路オープン、
ジャンクションリーク、
電流増大
ウェーハ取り扱いミス、
ウェーハ洗浄の誤り
2 2 2 8 作業手順書の改善/整備
2. 組み立て工程                
(2-1)
ダイセレクション
ダイクラック ジャンクションリーク電流、増大、動作不良 装置の調整不備、
作業者のミス
1 3 2 6 装置管理作業者への是正処置、
作業手順書の改善/整備
(2-2)
ダイボンド
ダイクラック、
ダイ浮き上り
オープン、ジャンクションリーク電流増大、動作不良 作業者のミス、
温度の低下
1 9 2 18 装置管理作業者への是正処置、
作業手順書の改善/整備、
目視検査
(2-3)
ワイヤボンド
ワイヤオープン、
ワイヤショート、
ボンディング位置不良
オープン、
ショート
接着強度不良、
作業者のミス、
装置の調整不備、
ワイヤループ形状不良
2 10 1 20 装置管理作業者への是正処置、
作業手順書の改善/整備、
目視検査
(2-4)
封止 (樹脂)
ワイヤオープン、
ワイヤショート、
外囲器クラック、腐食
オープン、
ショート、
外観不良
装置の調整不備、
キュア不足
2 10 2 40 装置管理作業者への是正処置、
作業手順書の改善/整備、
目視検査
(2-5)
リード表面処理
(めっき)
めっき厚不良、
汚れ
はんだ付け性不良、
接触不良
作業者のミス、
装置の調整不備、
洗浄不足
1 2 3 6 作業手順書の改善/整備、
装置管理作業者への是正処置
(2-6)
リード成型
形状異常、
リード破損
プリント基板挿入不良、
動作不良
作業者のミス、
装置の調整不備
1 2 1 2 作業手順書の整備、
装置管理作業者への是正処置
(2-7)
マーキング
誤表示、
表示不鮮明
使用破壊 作業者のミス、
キュア不足
1 1 1 1 作業手順書の改善/整備

表 2 タグチメソッド例 (因子)
  因子 単位 パラメータ
第1水準 第2水準 第3水準
A モールド樹脂 (型名) - A1 A2 -
B 樹脂のプリヒート時間 s B1 B2 B3
C モールド注入圧力 Pa C1 C2 C3
D 金型クランプ圧力 t D1 D2 D3
E モールド金型温度 °C E1 E2 E3
F ボンディングからモールドまでの時間 H F1 F2 F3
G モールド常温戻し時間 H G1 G2 G3
H モールドアフターキュア時間 H H1 H2 H3

これは『図 1 タグチメソッド例 (SN比要因効果図)』です

図 1 タグチメソッド例 (SN比要因効果図)

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