東芝 セミコンダクター&ストレージ社
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2011年7月1日付で東芝 セミコンダクター社とストレージプロダクツ社は統合し、株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社になりました。このページは、半導体製品の信頼性情報について説明しています。

LSIでの故障箇所特定

[2011年4月現在]

 

特にLSIでは微細化、多層配線化、大規模化、高速化、複合化が進み、故障箇所の特定が困難になっており種々手法が開発されています。
図 1に故障箇所特定の全体的なフローを示します。まず故障が発生した場合、何らかの方法で故障を再現させます。そして、故障現象に応じ最適な解析手法を検討し、解析ツールや解析装置を用いた物理観測を実施、故障箇所特定を行います。

これは『図 1 故障箇所特定のフロー』です

図 1 故障箇所特定のフロー

故障再現後の故障解析フローをもう少し詳しく示したのが、図 2です。故障現象に応じ用いるツールや解析装置等は異なりますが、基本的にはソフトウェア等のツールや物理観測によりラフに故障箇所を絞込み (= 解析対象とする領域を狭める)、次に絞込まれた領域の回路を解析した後詳細に物理観測する、と言うフローで故障箇所特定を行っています。勿論故障によっては、ラフな場所特定を繰り返したり、或いは反対にラフな場所特定で詳細な故障箇所まで判明する場合等あり、必ずしもこのフローどおりには進まない場合もあります。

これは『図 2 故障解析フロー』です

図 2 故障解析フロー

CADナビゲーションシステム

故障箇所特定を行う際には、デバイス内の所望の回路を解析装置で観測する、或いは観測した箇所の回路上の位置を調べる、と言うような事が必要です。従って効率良く短時間で解析を進めるためには、デバイス内のどのトランジスタ或いはどの配線が観測したい箇所なのか、反対に観測している箇所がどの回路部分なのかが実際の解析の場面では即座に分かるようにしておく必要があります。しかし、近年デバイスの大規模化、高集積化に伴い、設計情報 (回路情報、レイアウト情報) を用いる事無くデバイス内の所望の回路の物理位置を特定する事は非常に困難となっています。そこで、設計情報と解析装置上のデバイスの物理座標とをリンクさせ、しかもレイアウト設計等の知識が無くても簡単に回路を追跡できるCADナビゲーションシステムが実用化されています。
図 3にCADナビゲーションシステムの表示例を示します。この図でa) がエミッション顕微鏡(EMS) の観測画面、b) がマスクレイアウト、c) が回路のネットリスト (電気的な接続関係を文字で表現した、回路図に相当する) を表示しています。CADナビゲーションシステムでは、観測画面とマスクレイアウト表示とを双方向に同期させることが可能です。更にマスクレイアウトとネットリストも双方向に同期させる事が可能で、図中の白くハイライトしているところは対応する配線と信号名です。
このようにCADナビゲーションシステムを利用することにより、利用者は観測したい信号がレイアウト上の何処に配線され、それが実チップの何処にあるのか、逆に解析装置で観測した箇所がレイアウト上の何処になり、それが回路中のどの部分になるのかを即座に把握することが可能となり、解析を効率よく行うことが出来ます。またこの例ではEMSの観測画面を示していますが、他の解析装置も同様の利用が可能となっています。

これは『図 3 CADナビゲーションシステム表示例』です

図 3 CADナビゲーションシステム表示例

診断ツール

最終的に故障箇所を特定するためには、例えばトランジスタ (Tr) の故障であればどのTrが故障しているのか詳細に調べる必要があるため、故障解析装置による観測が必要となります。しかし、デバイス内のTr数が数億に達しようという昨今、Trを一個ずつ調べて故障箇所を特定しようというのは非現実的です。しかし故障解析装置は、どちらかというと丹念に解析する事を得意としているため、故障解析TATを短縮するためには、故障解析装置で観測する領域を予め精度良く絞込んでおく事が重要となってきます。
診断ツールはこの目的のために使用するもので、基本的には設計情報 (回路情報やマスクレイアウト情報)、テストパタン、テスト結果を利用し、故障が起こっていると考えられる箇所を論理的に絞り込んでいくことが可能です。
診断手法は幾つか提案されツール化されていますが、ここではもっとも基本的な故障辞書を用いた手法について説明します。

故障辞書を利用する手法

まず故障辞書とはどういうものか、簡単に説明します。
半導体デバイスを試験する場合は、必ずテストパタンが存在しています。このテストパタンには、デバイスへの入力信号とその時の出力期待値が記述されており、通常はこの出力期待値と実際にデバイスが出力した値とを比較し、双方に相違があるか無いかで、そのデバイスが良品か不良品かを判定しています。
この時回路中のある信号に故障を仮定し、前述のテストパタンをデバイスに入力した時に、出力に期待値異常が観測されるかどうかを論理シミュレーションにより調べることが可能です。これを数多くの信号に故障仮定した場合について調べ、期待値異常が観測されると分かった物について、何処に故障仮定した場合に、どの時刻で出力期待値異常が起こるか、という情報をまとめた物が故障辞書です。図 4に故障辞書の例を示します。
故障辞書を利用した故障候補の抽出方法を図 5に示します。例えばあるテストパタンをデバイスに入力した際のテスト結果として、フェイル時刻の情報が得られます。次に故障辞書で、このテスト結果に一致するフェイル時刻で故障が検出できるのは、どの信号に故障を仮定した場合かを調べます。この例ではIN2とIN3という信号がテスト結果に一致するので、ここではこの2つの信号が故障候補として抽出されます。
ここで示したのは非常に簡単な例ですが、実際の診断ツールでは更に故障候補抽出の精度を向上させる様々な手法が取り入れられています。それでも現状ではデバイス内で起こっている故障全てに対して対応できているわけでは無いので、必ずしも診断ツールだけで故障箇所が特定できるとは限りません。しかし、前述したように解析装置で観測する箇所を絞り込める、という点で診断ツールは非常に重要となっています。

これは『>図 4 故障辞書例』です

図 4 故障辞書例

これは『図 5 故障辞書を利用した故障候補抽出の例』です

図 5 故障辞書を利用した故障候補抽出の例

2011年7月1日付で東芝 セミコンダクター社とストレージプロダクツ社は統合し、株式会社東芝 セミコンダクター&ストレージ社になりました。このページは、半導体製品の信頼性情報について説明しています。

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